2012年4月15日日曜日

中国での商談は油断大敵の心で

今日から初めて「中国ビジネスヘッドライン」にコラムを掲載させていただくことになりました。皆様の中国ビジネスの一助になることができれば幸いです。

7年前、中国で中国の大手IT企業へプレゼンをしたときのことです。中国側IT企業は4名、そしてこちらは3名。中国側は全員日本語が分からないということでした。私は当時、商談レベルの中国語には少々不安があり、そこで私達のうちの中国語ネイティブな人が通訳になりプレゼンが始まりました。
プレゼンの時には、中国側からいろいろな質問や要求が浴びせられます。私達がその場で相談しなくては回答できないものも少なくありません。でもラッキーなことに相手は日本語が分かりません。通常であれば相手に聞かれたくないような話であっても、日本語であれば相手には伝わらず、堂々と相談できてしまいます。そんなこんなで、プレゼンは進み終了しました。

帰りに中国企業の4名が玄関まで見送ってくれたときのことです。私がうっかり相手の中国人の一人に、日本語でこのような言葉をかけてしまったのです。
「今度、機会があれば是非、日本にもおいでください。」

そうしたら、相手の中国人からは
「是非、行きたいですね。機会があれば、御社を拝見したいです。」
と、かなりネイティブな日本語が返ってきたのです。
「えっ?日本語できるんですか?」
「いえ・・。まぁ・・ちょっと・・・」
全ては後の祭り。私達が彼らの前で話した日本語の相談事は、全て伝わっていました。

中国のビジネスでは、どんな時も油断してはいけないと、この時はじめて悟りました。
相手の中国IT企業は、当時の私よりも一枚も二枚も上手だったわけです。
それは、正しいとか正しくないとか、ずるいとかずるくないとか、そんな尺度の問題ではなく、そもそもビジネスとはそうしたものだ、騙し合いなのだ・・と言われたような気がしました。

今もなお、中国との仕事に携わっておりますが、こうした経験は今もなお私の仕事の中で大きな財産になっています。

0 件のコメント:

コメントを投稿